エルサレム観光 〜ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の聖地を巡る〜
エルサレムは世界で最も興味深い街の一つと言っても過言ではありません。
イスラエルを巡るツアーはたくさんありますが、どのツアーでも一番時間をかけて観光するのはやはりエルサレムです。1つの街にいながら3つの宗教が混在する独特の雰囲気を味わうことができます!
この記事の目次
エルサレムの基本情報
エルサレムはイスラエル東部にあり、国際線の到着空港となるBen Gurion International Airport(ベン・グリオン国際空港)から南東55kmに位置します。
エルサレムはイスラエル最大の都市で政治の中心です。また、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の3つの宗教の聖地であり、約1km四方の城壁で囲まれた旧市街にはユダヤ教徒、キリスト教徒、イスラム教徒、アルメニア人の4つ居住区があります。
エルサレムは地中海性気候で気温は東京の四季と似ています。7〜8月は日中30度を超え非常に暑くなりますが、乾燥しているため日本の様な蒸し暑さはありません。11~3月は雨季となります。なお、標高は760mで昼夜の気温差が大きく、夏でも朝晩は涼しくなります。
服装は、宗教施設の観光が多いので、暑い夏でも肌の露出が多い服装は避け、女性は肌を隠すカーディガンやスカーフがあると便利です。また、エルサレムの旧市街は車が入れず、徒歩で石畳を歩く観光になるので、歩きやすい靴で行きましょう。
以下のイスラエル旅行の服装に関する記事もご参考ください。
1981年に「Old City of Jerusalem and its Walls(エルサレムの旧市街とその城壁群)」が世界遺産に登録されていて、その対象となる歴史的モニュメントは200以上もあります。
以下、イスラエルの世界遺産についての記事もありますので、そちらを参照ください。
エルサレムの観光で、絶対に外せないおすすめ観光地はどこか?
エルサレムには数多くの観光スポットが点在しています。その中でも、ここだけは絶対に外せないおすすめ観光地を厳選して紹介します。
また、観光スポットは旧市街の内にも外にも広範囲に点在しているので、効率よく巡るためにエリアごとに紹介します。旧市街は車の通行ができないので、城壁の外で下車する必要があります。8つある門のいずれかからしか入れませんので、どの門から旧市街に入るかというのも大切なポイントです。
Mount of Olives(オリーブ山)〜Gethsemane(ゲッセマネの園)【地図①〜②】
旧市街の外にあるため、近くまで車で訪れることが可能です。
①Mount of Olives
エルサレム旧市街から1.5kmほどの距離にある標高825mの丘。エルサレムの旧市街よりもちょっとだけ高いところにあるので、街全体を見晴らすのにうってつけの場所です。なお、スリが多い場所ですのでくれぐれも身の回り品にはご注意ください。
▼Mount of Olives から見た旧市街の眺め
②Garden of Gethsemane
ヘブライ語で「油しぼり」を意味するオリーブの庭園。イエスが「最後の晩餐」の後に祈りのために訪れ、ローマ兵に捕らえられた場所です。ユダの接吻によって兵達は誰がイエスかを見分けることができました。
庭園内には、全世界のキリスト教徒の献金によって Church of All Nations(万国人の教会)が建てられました。
▼Garden of Gethsemaneとオリーブの木
▼Church of All Nationsの外観
Zion Gate(シオン門)〜King Davis’ Tomb(ダビデの墓)とRoom of the Last Supper(最後の晩餐の部屋)【地図③〜⑤】
King David’s TombとRoom of the Last Supperは、同じ建物の1階と2階にあります。城壁の外にありますが、近くまで車が入れないので、Zion Gateから歩きましょう。
③Zion Gate
城壁内からMount Zion(シオンの丘)へ通じることから名付けられました。
▼Zion Gate
④King David’s Tomb
David(ダビデ)は紀元前1000年頃の古代イスラエルの2代目国王。古代イスラエルの最盛期を築き、エルサレムを都と定めました。
▼King David’s Tomb
⑤Room of the Last Supper
King David’s Tombがある建物の2階にあります。イエスが12人の弟子たちと最後の晩餐をした部屋です。
この建物はオスマントルコの時代にモスクに改修して使われていたため、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教が重なる場所です。現在はイスラエル政府によって、宗教の区別なく誰でも自由に入場できるようになっています。
▼Room of the Last Supper
▼Leonardo da Vinci “The Last Supper”
Zion Gate〜Wailing Wall(嘆きの壁)〜Dome of the Rock(岩のドーム)〜Via Dolorosa(ヴィア・ドロローサ)〜Church of the Holy Sepulchre(聖墳墓教会)【地図③、⑥〜⑨】
Zion Gateに戻り、城壁の中に入りましょう。エルサレム観光のハイライトでもある、3つの宗教の聖地を訪れるルートです。
⑥Wailing Wall
古代イスラエル時代の神殿跡でユダヤ教の聖地です。ユダヤ人はWestern Wallと呼んでいます。向かって左側が男性、右側が女性と男女別に分かれていて、間には仕切りが設けられています。
敬虔なユダヤ教徒が真剣にお祈りを捧げる場ですので、あからさまにカメラを向けたり、フラッシュを発光させての撮影は控えましょう。また、金曜日の日没から土曜日の日没までの安息日の間はカメラの撮影は向けるだけでなく一切禁止でして、カメラを使うと近くの方に怒られたりしますのでくれぐれも相手の宗教を尊重し使わないようご注意ください。
夜に訪れると壁がライトアップされ、日中とは違った雰囲気を味わうことができます。直接Wailing Wallに行くのであれば、Dung Gate(糞門)も近いです。
▼Wailing Wallと壁に向かってお祈りを捧げるユダヤ教徒たち
⑦Dome of the Rock
もともとはユダヤ教の神殿があった丘に建つイスラム教のモスク。イスラム教を創始した預言者Muhammad(ムハンマド)が昇天したとされる地で、イスラム教徒にとってMakkah(メッカ)、Medina(メディナ)に次ぐ聖地です。
イスラム教徒しか中には入れないので、外観のみの観光ですが、黄金のドームと美しいモザイクだけでも十分に見ごたえがあります。敷地内に入るにはパスポートが必要です。また、金曜日と土曜日はイスラム教徒しか入れず、その他の曜日も午前中しか入れません。
▼黄金のドームとモザイクが美しいDome of the Rock
⑧Via Dolorosa
Via Dolorosa とは、ラテン語で「悲しみの道」を意味し、イエスが十字架を背負って歩いた1km弱の道のりを表します。
イエスが有罪を告げられるところから、ゴルゴダの丘で磔刑に処され、墓に葬られるまでのエピソードを辿ることができます。全部で14カ所のステーションがあり、第10〜14ステーションはChurch of the Holy Sepulchre内にあります。
▼Via Dolorosa
⑨Church of the Holy Sepulchre
イエスの墓とされている場所に建てられた教会です。イエスの墓跡はとても狭く大混雑するのでどうしても行きたい人は朝早くに訪れましょう(それでも混雑時は並びます)。
▼Church of the Holy Sepulchreの外観
▼内部のイエスの墓跡
城壁内の観光はこちらの地図を参考ください。
なお、Via Dolorosa の地図との対応は下記の通りです。
st.1 総督ピラト邸にてイエスが有罪とされる(Ⓐ、現在は小学校)
st.2 十字架を背負って歩き始める(Ⓑ)
st.3 イエス倒れる(Ⓒ)
st.4 母マリアがイエスを見る(Ⓓ)
st.5 シモンがイエスに代わって十字架を背負う(Ⓔ)
st.6 ベロニカがイエスの顔をハンカチで拭う(Ⓕ)
st.7 再び倒れる(Ⓖ)
st.8 エルサレムの娘たちと語る(Ⓗ)
st.9 三たび倒れる(Ⓘ)
st.10 衣を脱がされる(Ⓙ)
st.11 十字架に釘付けされる(Ⓙ)
st.12 息を引き取る(Ⓙ)
st.13 十字架より降ろされる(Ⓙ)
st.14 墓に納める(Ⓙ)
時間があれば訪れたい、追加のおすすめ3箇所!【地図10〜12】
⑩Saint Peter in Gallicantu(鶏鳴教会)
Gethsemaneで捕らえられたイエスが、法廷に連行されるまでの間、留置されていた牢獄が残っています。
イエスが弟子ペテロに対して「今日、鶏が鳴く前に、(イエスの仲間かと尋ねられても)あなたは三度わたしを知らないと言うだろう」と予言したことから「鶏鳴」というが付けられました。
▼Saint Peter in Gallicantuの外観
⑪Garden Tomb(園の墓)
プロテスタント教会の中には、こちらがイエスの墓だとする考えもあります。Church of the Holy Sepulchreの荘厳さに比べると質素な洞窟ですが、かえって雰囲気があります。
▼Garden Tomb
⑫Tower of David(ダビデの塔)のスペクタクルショー
歴史的建造物をスクリーンにして、エルサレムの歴史をプロジェクション・マッピングで紹介してくれます。ショーは外で行われ、夜は寒くなりますので、暖かい服装で観賞しましょう。
(こちらのオフィシャルサイトから、開始時間の確認やオンラインチケットの購入が可能です。https://www.tod.org.il/en/the-night-spectacular/)
▼スペクタクルショーの様子
個人で巡る?ツアーに申し込む?エルサレム観光を比較しましょう
結論から言うと、エルサレムは個人でも十分に観光できます。
ホテル~旧市街間はタクシーを使って移動して、あとはこの記事で紹介したルートを参考にして歩いてみましょう。①~⑨のルートは1日で巡ることもできますが、お好きな方は2日以上あると、余裕をもって楽しむことができそうです。
エルサレムには他にも多くの観光スポットが旧市街とその周辺に集まっていますので、特に足に自信のある方にとっては観光しやすい街です。
また、個人旅行が心配な方や、ガイドの説明を聞きながら観光したい方はツアー旅行に申し込みましょう。日本発着のイスラエルツアーやイスラエル国内発着の現地ツアーがありますので、その一例を紹介します。
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