閉じた米国IPOウィンドウの突破口を最初に開いた米ZoomInfo社は元々イスラエル企業
米ズームインフォ株、上場初日に62%高-ここ10年で最大級の上昇率
ビジネスインテリジェンス・プラットフォームの米 ズームインフォ・テクノロジーズ の株価は、上場初日となった4日の米株式市場で上昇。ブルームバーグがまとめたデータによると、同社と同規模かそれ以上の企業の中では、ここ10年で最大の米取引初日の上昇率となった。 ズームインフォの新規株式公開(IPO)規模は9億3500万ドル(約1020億円)。IPO価格は仮条件レンジを上回る水準に設定された。4日の初値はIPO価格の約2倍。終値は62%高の34ドルで、同社の時価総額は130億ドルとなった。 原題: ZoomInfo Shares Close 62% Higher After $935 Million U.S. Debut (抜粋)
COVID-19の全世界的な流行により完全に閉じてしまっていた米IPOウィンドウは一昨日の米ZoomInfo(ズームインフォ)社の上場により再び開かれました。
ズームインフォ社はB2Bビジネスを展開する企業に、各見込顧客のRight Person等の情報を提供するMarket Intelligenceの企業です。同社プラットフォームには登録されている14百万社の情報が掲載されており、現在同社顧客は全世界で15,000社以上いるとのことです。
ズームインフォ社の起源は2000年にイスラエル人のYonathan Stern氏らによって、Eliyon Technologies社として創業された企業に遡ります。
その後、2017年に米プライベート・エクイティのGreat Hill Partnersにズームインフォ社として$240Milで買収され、その買収された企業も昨年競合であるDiscoverOrgに$500Mil強で買収され、合併しています。
現在のズームインフォ社のCEOはDiscoverOrg創業者のCEOがそのまま就いていますが、同社のS-1を読むとCTOにイスラエル人のNir Keren氏が居ました。
経緯としては創業者のYonathan Stern氏が2004年にイスラエルに戻り、Ra’anana(ラナーナ)にR&Dセンターを開設したことがきっかけ。
現在ではイスラエルに150名のR&Dチームが居て、CTOのNir Keren氏がチームを率いており、CEOもこのR&Dチームのデータサイエンティスト達がズームインフォ社のAIや機械学習の開発などに貢献したと話しています。
閉じていたIPOマーケットの影響もあるとは思いますが、初日で株価も約2倍以上となっているこのようなIPOが成功したことは、株式市場関係者にとっての朗報だけでなく、新たなイスラエル企業を買収する候補者の登場としてイスラエルのスタートアップ関係者にとっても安息日に入る前の良いニュースとなったことかと思います。
イスラエルスタートアップを詳しく知られたい方はぜひ以下をお手に取ってみてください。