あの名画の風景はイスラエルにあった!聖書の舞台とイエス・キリストの生涯
世界で最大の信者数を擁するキリスト教。教派は様々ですが世界中で広く信仰され、その信者数は20億人を超えるとされています。
特にヨーロッパでは教会を飾る宗教画、彫刻、ステンドグラス、音楽などは、旧約聖書や新約聖書のエピソードをモチーフにしていて、様々なところにキリスト教文化が根付いていることが感じられます。
ただ、「これは聖書の○○○○の場面を表しているものです」という解説があってもキリスト教に馴染みの薄い方にとってはなかなかピンとこないこともあるでしょう。
それらのエピソードの舞台が現在のイスラエルの場所にあったとされています。本項ではイエス・キリストの生涯に沿って聖書の舞台であるイスラエルの観光地を紹介します。
この記事の目次
Nazareth(ナザレ) 聖母マリアが受胎告知を受けた地
Nazarethには受胎告知を記念したBasilica of the Annunciation(受胎告知教会)があります。大工のヨセフと婚約していたマリアのもとに、神の使いである大天使ガブリエルが現れて、聖霊による神の懐胎を告げる場面です。
▼Basilica of the Annunciationの外観
▼レオナルド・ダ・ヴィンチ作、Annunciation「受胎告知」
Bethlehem(ベツレヘム) イエス・キリスト生誕の地
Nazarethに住んでいたヨセフ一家は、出産を迎えるにあたり先祖の地であるBethlehemに向かいます。Bethlehemでは泊まる宿屋が見つからず、仕方なく馬小屋を借り、イエスはここで誕生したとされています。
Church of the Nativity(生誕教会)には、イエスが生まれたとされる場所が14芒星で示されています。
▼Church of the Nativityの外観
▼イエスが生まれたとされる場所の14芒星
Jordan River (ヨルダン川)– Yardenit Baptismal Site (ヤルデニットの洗礼場) イエスが洗礼者ヨハネから洗礼を受けた地
イエスはJordan Riverにおいて、洗礼者ヨハネから洗礼を受けました。洗礼はキリスト教の多く教派にとって大切な儀礼となり、今日でもYardenitの洗礼場では、洗礼に訪れる信者の姿を見ることができます。
▼Yardenitでの洗礼する信者の姿
▼レオナルド・ダ・ヴィンチ作、The Baptism of Christ「キリストの洗礼」
Jerico(イェリコ) イエスが悪魔の誘惑を乗り越えた地
洗礼を受けたイエスは死海沿岸の荒野で40日間の断食を行います。断食の最後の日、悪魔が3回誘惑を仕掛けますが、イエスは試練を乗り越え宣教活動に入ります。
▼Jerico 誘惑の修道院外観
▼ドゥッチョ・ディ・ブオニンセーニャ作、Temptation of the Mount「山上の誘惑」
Cana (カナ) イエスが最初の奇跡を行った地
Canaの村で行われた婚礼に出席したイエス。ワインが足りないことを知ると、召使いに6つの石甕に水を満たすよう命じます。するといつしか水は極上のワインに変わっていました。
▼Wedding Church in Cana(カナの婚礼教会)の外観
▼パオロ・ヴェロネーゼ作、The Wedding Feast at Cana「カナの婚礼」
Sea of Galilee(ガリラヤ湖) イエスが布教活動を行なった地
Sea of Galilee の周辺には、Church of Beatitude(山上の垂訓教会)やChurch of the Loaves and Fish(パンと魚の教会)など、イエスが行なった布教活動を記念する場所が多く残っています。5つのパンと2匹の魚を5000人もの貧しい人々に分け与え満腹にさせたといいます。また、漁師であったPeter(ペトロ)を最初の弟子として迎え入れます。
▼Sea of Galilee
▼Church of Beatitudeの外観
▼Church of Beatitudeの内部
▼Church of the Loaves and Fishの外観
▼Church of the Loaves and Fishにあるパンと魚のモザイク画
現在は、湖のボートクルーズやそこで獲れる魚(その名もSt Peter’s fish!)の食事を楽しむことができます。
▼St Peter’s fishを使った料理
その後、イエスは活動拠点をJerusalem(エルサレム)へと移していきます。