「イスラエルの地」で祖父からワイン造りを受け継いだ【エレツ・イスラエル・ワイナリー】
この記事の目次
Eretz Israel Winery(エレツ・イスラエル・ワイナリー)
2008年にズリ氏(Zuri Makhlouf)は、小さな家族経営のワイナリーを設立するという夢を実現させること決意し、西ガリラヤのクリルにある家の庭に小さなブドウ畑を作りました。
その翌年の2009年には、彼の夢はさらに大きくなり、ズリ氏の父、ヤアコヴ氏(Yaakov)も共感し、2人は一緒にMoshav Yitzitzに当初の約15倍もの広さのブドウ畑を造りました。
2010年にアッパー・ガリラヤ地方の農家から購入したブドウを使用してワインの生産を開始し、2014年には自分たちの畑から収穫されたブドウを使った最初のワインを生産しました。
エレツ・イスラエル・ワイナリーの由来
「エレツ・イスラエル」とは、ヘブライ語で「イスラエルの地」を意味しています。
また「エレツ」は、リビアへの移住の日の前夜に生まれたズリ氏の母に祖父が名づけた名前です。
その名前は、2000年に及ぶ亡命の月日と、ディアスポラとして長年にわたり祖国を離れてもなお一瞬たりとも忘れることができなかった「イスラエルの地」への憧れから名付けられました。
祖父はリビアのトリポリ市のユダヤ人市場に小さな居酒屋を所有していました。
その後、祖父がイスラエルに戻った後、彼はEkron地域(現在のMazkeret Batya)のブドウからワインを造り始めました。
ズリ氏は幼少期に祖父のワイン造りを見て育ちました。
90年代後半にはそのブドウ畑はなくなってしまいましたが、ズリ氏の家族は食物を育てて欧州へ輸出し生計を支えていましたが、ズリ氏のブドウや花、植物への愛は消えませんでした。
ズリ氏が西ガリラヤのクリルに居を構えたとき、その地にまずブドウ畑を植えることには迷いがありませんでした。
自然豊かなブドウ畑
エレツ・イスラエル・ワイナリーのブドウは、南向きの斜面の粘土質土壌の畑に植えられています。
ブドウ畑では最小限の灌漑のみで、土壌や天候、雨など、その年の自然環境を反映させたブドウを栽培したいという、自然への理解と願望から、極力自然に任せたブドウ栽培を行っています。
ブドウ畑では有機肥料と、その他最低限必要なものだけを使用しています。
そのため、ブドウの木の間には背の高い草が生い茂り、キクなどの野花や、タイムやミントなどのハーブがブドウ畑のすぐ近くで育つという豊かな自然環境が実現しています。
また、エレツ・イスラエル・ワイナリーでは極少量のブドウのみを栽培・収穫しています。
そうすることにより、ブドウが持つ色合いとミネラルを最大限に抽出できるようになり、少量生産の高品質なワインを生産することができています。
エレツ・イスラエル・ワイナリーのワイン
【FOX】
「FOX」はクリルの小さなブドウ畑から収穫されたカベルネ・ソーヴィニヨン、マルベック、シラーズから造られたブレンドの赤ワインです。
2010年にブドウ畑の小さな区画のほぼ全体がキツネに食べられ、残りの少量のブドウを混ぜ合わせてブレンドワインを造りました。
このブレンドが成功したことから、その後も同じようにワインを造り続けることになり、後に「FOX」というワイン名が名付けられました。
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(出展:Eretz Israel Winery)
【EDOM 2015年ヴィンテージ】
2015年ヴィンテージは、イスラエルの気候に合わせて軽やかなワインを造りたいという思いから、シラーズのブドウを発酵させた後、そのままボトルに移して熟成させるというプロセスをとりました。
最初は真っ赤なワインの色に驚きましたが、味は繊細で少し酸味があり、軽やかで夏らしい味わいになりました。
ワインの名前「EDOM」は、その強烈な色合いと、赤い山、大草原、砂漠の夏、そして暖かな気候からインスピレーションを得て名付けられました。
このワインはとても冷たくして飲むのがおすすめで、軽い食事と一緒に飲むと見事にマッチします。
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(出展:Eretz Israel Winery)
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